2024/05/19

Taiwan Today

経済

台日合同で6U超小型衛星開発、2022年の軌道投入目指す

2020/12/30
財団法人国家実験研究院国家太空中心(NSPO=国家宇宙センター)は、日本の国立大学法人東京大学航空宇宙工学専攻と「6U超小型衛星」の開発で協力することになった。2022年、国際宇宙ステーションからの軌道投入を目指す。写真は「6U超小型衛星」のイメージ図。(NSPOフェイスブックより)
科技部(日本の省レベル)に属する財団法人国家実験研究院国家太空中心(NSPO=国家宇宙センター)が、日本の国立大学法人東京大学航空宇宙工学専攻と「6U超小型衛星」の開発で協力することになった。2022年、国際宇宙ステーションからの軌道投入を目指す。
 
国家宇宙センターの余憲政副主任によると、台湾の第三期「太空科技長程発展計画(=航空宇宙計画。2019年から2028年までの10カ年計画)」は人工衛星による光学リモートセンシングに力を入れる。そのうち「超高解像度スマート・リモートセンシング衛星」に搭載する光学観測装置と画像技術は従来と大きく異なる。このため開発チームは、低コストの超小型衛星(キューブサット)を実際に打ち上げることで、宇宙で新技術の実証を行うことを決めた。将来衛星が担う光学ミッションの実証を迅速に実施するのが狙いだ。
 
国家宇宙センターは現在、「6U超小型衛星短期実証事業(6U Fast Validation Cubesat)」を実施している。この6U超小型衛星(6Uサイズのキューブサット)は「中分解能の地球観測衛星」であり、地球の局地的な映像を取得することで、災害監視や環境モニタリングを行うことができる。しかし、主要な目的は技術の実証となる。
 
キューブサットはコストが低いことが強みで、学術レベルの研究・開発に使うのに適している。また、標準化やモジュール化で輸送や打ち上げのコストを抑えることができる。この6U超小型衛星は2022年、ロケットに搭載されて国際宇宙ステーションまで打ち上げられたあと、国際宇宙ステーションから放出・軌道投入される。運行軌道は380~420㎞の高度になる。
 
余憲政副主任によると、台湾と日本の双方は衛星オペレーション制御センター(SOCC)を使用し、6U超小型衛星のミッションを遂行することが可能となる。両者が協力することで開発・製造・運用の時間と経費を大幅に削減することができる見込みだ。また、これまでの経験から、キューブサットの設計や組立には3年の時間が必要(打ち上げの段階を含まない)だが、今回は東京大学との協力により2年以内に設計から打ち上げまでを遂行できると考えている。
 
この台日協力プロジェクトでは、台湾の国家宇宙センターが光学観測装置を開発し、東京大学がキューブサットの本体を開発する。東京大学はこのほか、日本の株式会社スペースエッジラボ及びSpaceBD株式会社の2社と協力し、打上・軌道投入のサービス調達を担当することになっている。
 

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