2024/04/29

Taiwan Today

経済

台湾最北のコーヒー豆、台北市文山区で香る

2016/11/22
台北市文山区で栽培されるコーヒーは「台湾最北のコーヒー」。量産はまだ無理ながら、見学すれば試飲が可能。(中央社)

台湾の人たちが1年に飲むコーヒーは28億5,000万杯で、1日平均では78万杯だという。コーヒーのチェーン店が増える中、雰囲気にこだわり、小規模生産の特色あるコーヒーも広がりつつある。台湾では中南部の山間部で栽培されるコーヒー豆が国際的に評価されているばかりでなく、山に登って生産地を見ることも出来る、ツオウ族(台湾の先住民族の種族の一つ)集落のコーヒー豆もある。このコーヒー豆は都市部で有機野菜などを売るスーパーマーケットの経営と結びつき、玄人の注目を集めている。

台湾北部・台北市の「景美区農会(農会は日本の農協に相当)」がある同市文山区は「台湾で最北のコーヒー豆」の産地。私立再興学校(小学校から高校まで設置)の近くである。

ここでコーヒー栽培が始まったきっかけは、「景美区農会」に所属するある農家がコーヒーの木を1本植えて放っておいたところ、地面に落ちたコーヒーの実が自然に多くの苗として育ったこと。そのまま29アールから39アール程度にコーヒー「畑」が広がった。みな有機栽培の方式なので、来年には有機コーヒー豆の認証が得られるという。さらに2、3年経ち、約1ヘクタールの果樹園が全てコーヒーの木になれば、台湾最北のコーヒー豆を量産して販売できると見られている。

10月から来年1月までが収穫期。現在はまだ量が少なく、コーヒー豆として売り出すことは出来ないが、「景美区農会」に果樹園参観を申し込めば、コーヒー豆を採り、焙煎作業を見学し、最後にはとれたてのコーヒー豆から生まれる、わずかに酸味のある最高のコーヒーが味わえる。「景美区農会」では人々の見学を歓迎、「台湾最北のコーヒー豆」にインパクトのある名前が付けられるようアイデアを提供してほしいと呼びかけている。実は日本占領時代、台湾北部・新北市の三峡区はコーヒー豆の産地だった。つまり、少々意外ながら台湾の北部では本当にコーヒーの栽培が可能なのである。

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