2024/05/08

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経済

台北市の漢方専門店、漢方や薬膳を外国人に教える

2016/11/29
台湾北部・台北市にある漢方専門店の范大春堂蔘薬行(台北市万華区)の二代目、范綱軒さんは今年度、衛生福利部(日本の厚生労働省に類似)の助成事業に参加し、外国人旅行者や留学生に漢方や薬膳について教える文化交流プログラムを実施している。(中央社)

台湾北部・台北市にある漢方専門店、范大春堂蔘薬行(台北市万華区)の二代目、范綱軒さんは今年度、衛生福利部(日本の厚生労働省に類似)の助成事業に参加し、外国人旅行者や留学生に漢方や薬膳について教える文化交流プログラムを実施している。

漢方文化は、あらゆる人々の生活のすぐそばにある。例えば現在、スーパーで売られている野菜や果物の6~7割は、漢方薬や薬学についてまとめた古典『本草綱目』にも掲載されているものだ。夏になって体内に「火気(のぼせ、熱がこもること。炎症や腫れものなどの原因とされる)」が上がってくると、台湾の年配者は「スイカを食べなさい」と言う。漢方では、スイカは果物であるだけでなく、漢方薬の一種でもあるからだ。

范大春堂蔘薬行は、衛生福利部の助成を受けて、外国人観光客や留学生などを対象に、漢方や薬膳について教えるプログラムを実施している。中国語や外国語で交流するほか、漢方、薬膳、それに東洋医学の概念である「経絡(けいらく)」のマッサージについても教えたり、彼らを実際にスーパーマーケットまで連れて行き、一緒に食材を購入して店に戻って薬膳スープを作ったりしている。

范綱軒さんは「漢方の発祥は中国大陸だが、世界各地にも似たような伝統文化がある」と指摘する。例えば、白ネギには体の「寒(かん)」を除去し、血行を良くする効能があると教えたとき、あるロシアの観光客は大変驚いた様子で、「鼻づまりのときは白ネギを鼻に詰めるといいと祖母から聞いたことがある」と話したという。ロシアにも同じような先人の知恵が伝わっているのだ。

范綱軒さんによると、鼻づまりの原因は、鼻の粘膜が膨張して呼吸をさえぎることにある。白ネギは「寒」を除去してくれるため、鼻の粘膜の血行が促進され、粘膜の膨張を和らげる。このため、確かに鼻づまりの改善に役立つのだという。

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