2024/04/30

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経済

蔡総統、台湾の「文化的国力」の向上目指す

2016/12/06
蔡英文総統は5日、第23回「世界中華文化芸術薪伝奨」の受賞者と、主催の中華民国資深青商総会(SJC)の幹部らによる表敬訪問を受けた。写真は、そのうち「中華書芸奬」を受賞した葉国華さん(左)から、書を贈られる蔡英文総統(右から2人目)。(総統府提供)

蔡英文総統は5日、第23回「世界中華文化芸術薪伝奨」の受賞者と、主催の中華民国資深青商総会(SJC)の幹部らによる表敬訪問を受けた。

蔡総統は冒頭のあいさつで、「世界中華文化芸術薪伝奬」は今年で23回目を迎えると指摘。中華民国資深青商総会は長年にわたり、この栄誉ある賞の授与を通して、伝統文化や芸術技能の発揚に努め、「承先啓後(過去のものを継続し、それを発展させる)」の精神を発揮していると称えた。

「世界中華文化芸術薪伝奬」のうち、「中華文芸奬」を受賞した高青松さんは、国学文化と詩歌を結合させた創作により、詩の分野に新たな気風を吹き込んだ。「中華武芸奬」を受賞した彭文隆さんは、国内の武術大会における常勝軍であり、武術教育の普及における主要な担い手でもある。「中華書芸奬」を受賞したのは葉国華さんと胡建平さん。そのうち葉国華さんは、書芸の分野で50年のキャリアを持ち、海外のモダンアートの芸術家との文化交流にも積極的に参与している。

「中華画芸奬」を受賞したのは「近代水墨画の父」と呼ばれる劉国松さん。このほど米芸術科学アカデミーの会員に選出されたばかりで、海外の画壇においても話題の人物。「民俗工芸奬」を受賞した游礼海さんは、木彫芸術の研究に70年の歳月を費やし、行政院文化建設委員会(現在の文化部=日本の文部科学省に類似)から「無形文化財に関する技術・知識の保持者」にも認定されている。「民俗音楽奬」を受賞した郭江清さんは、非常に珍しい古い民族音楽「四管」の奏者。「伝統戯劇奬」を受賞した王文財さんは、台湾戯曲学院附設京劇団に所属する京劇楽師。京劇音楽の奏者の育成に努めており、40年余りにわたって台湾の「文化外交」に貢献し、海外公演に参加してきた。「地方戯劇奬」を受賞したのは陳義徳さん。台湾の伝統人形劇「布袋戯(ボテヒ)」の劇団「隆義閣掌中劇団」の3代目団長を務める。「台中市傑出演芸団体」を受賞したこともある。

「総合技芸奬」を受賞したのは蔡上元さん。長年、民俗芸能「八家将(台湾の民間信仰において、主神を守る8人の将軍。神輿の行列では先頭をねり歩く)」の継承に努めてきた。「八家将」への取り組みが認められて「世界中華文化芸術薪伝奨」が授与されるのは、台湾では初めてのこと。「客家文化奬」を受賞した李栄豊さんは哈旗鼓文化芸術団の団長で、客家(ハッカ、台湾第2のエスニックグループ)の若者の芸術人材の育成に努めている。「終身貢献奬」を受賞した馮進興さんは、寺廟絵画において50年以上の経験を持つ。筆の代わりに手を使う「搨彩」という技法で、文化部の「重要伝統芸術保持者」にも認定されている。

蔡総統は、「強い底力をもった文化は、国家の進歩を促す重要な動力となる。これを育てることは政府の揺るぎない目標でもある」と強調。政府は今後も、それぞれの創作分野への協力を継続し、各分野の芸術がその実力を十分に発揮し、安定した発展を遂げ、ひいては台湾の「文化的国力」を引き続き向上させることを期待すると述べた。

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