2024/05/05

Taiwan Today

経済

大稻埕霞海城隍廟に「喜餅」続々

2011/08/06
台北の大稻埕霞海城隍廟は「月下老人」を陪神にした後から、婚約のお礼として供える「喜餅(シーピン)」が続々と送られてくるため嬉しい悲鳴を上げている。 それもそのはず、政府当局が結婚適齢者が結婚を渋っているのに頭を痛めている最中に、大稲埕の迪化街にある霞海城隍廟に今年上半期、「喜餅」が3240個も届けられたからである。中には日本在住の婚約者がわざわざ贈ったのもあると言う。 月下老人は古来から漢民族の縁結びの神ではあるが、城隍廟の主神ではなく、儒仏道三教混淆の中国ではどの寺廟にでも併せ祭られるのである。だから、霞海城隍廟も信者を集めるため、この縁結びの神様を陪神にし、子女の良縁を望む父母や独身女性を引き寄せている。人目を気にするシャイな男性達は参拝客が一番少ない明け方にひとりで線香をあげに来るそうである。 廟側の統計によると、2001年から2010年の10年間に月下老人を参拝し良縁に巡りあえたカップルは5万組いて、特に2008年には歴代最高の9316組が婚約にこぎつけた。今年初め頃、一人で100個もの「喜餅」を供えた人がいて、置き場所を探すのが大変だったそうだ。 城隍は日本の産土神と同じように町村の守り神である。中国の省都には都城隍、府には府城隍、町村にはただの城隍がある。ただひとつ産土神と違うのは城隍にはランクがあり昇進出来るが、最終的には玉皇上帝の地方官吏でこの世で無くあの世を支配する。 数年前、霞海城隍廟は、日本航空(JAL)の雑誌に紹介され、今年出版される予定の中文版「ミシュラン」でも三つ星観光スポットとして掲載される予定がある。 そのせいかも知れないが、日本からは良縁祈願の観光客が後を絶たず、先日アメリカの女優サラ・ジェシカさんも城隍廟を訪れたように、参拝客は国際色豊かになってきた。 結果として、大稻埕の霞海城隍廟は月下老人に頼らなくても繁盛を続けていくことが出来るであろ。 (2011/08/05 フォーカス台湾)

ランキング

新着