2024/05/08

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経済

中央研究院、がん成長のメカニズムで新発見

2011/08/25
中央研究院生物化学研究所と陳瑞華副所長(中央研究院サイトより)。
中央研究院生物化学研究所、陳瑞華副所長の実験室チームはこのほど、低酸素下で盛んになるがん細胞の成長のサイクルにおいて、重要な役割を果たすタンパク質「KLHL20」を発見、研究成果が学術雑誌「Cancer Cell」に発表された。陳副所長の研究によると「KLHL20」はこれまで解明されていなかった、細胞内のがん制御因子「PML」がなぜ減少するのかのメカニズムを、「KLHL20」の働きにより説明し、研究の空白を埋めた。 研究では、低酸素環境においてがん細胞がより速やかに成長するのを促進する低酸素誘導因子「HIF-1」から、低酸素下において「KLHL20」が生成されることが突き止められた。この「KLHL20」が制御因子「PML」を抑制する働きを持つため、「HIF-1」がより活性化するというフィードバックが起こり、さらにがんの成長が促される。また、「HIF-1」はがんの転移を促す働きもある。 中央研究院によると、現在医学界ではHIF-1を抑制するがん治療の研究を行っているが、今後は「KLHL20」を対象とする研究でがん治療に取り組む道も開かれた。

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