2024/05/06

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経済

中央研究院の多糖体ワクチン研究、世界初の成果

2011/09/14
中央研究院の翁啓恵院長(左)と呉宗益副研究員(右)。建物は中央研究院ゲノミクス研究センター。(同センターサイトより)
中央研究院は13日、翁啓恵院長が主導する研究チームが、世界で初めて多糖体合成技術を利用したC群の髄膜炎菌ワクチンを開発したと発表した。研究の現場を指揮した同院ゲノミクス研究センターの呉宗益副研究員によると、多糖体合成技術を使ったワクチン製造が可能になれば、将来的にはワクチンを培養した病原菌から分離、精製する必要がなく、精度を高め、リスクを低減、研究開発や製造のスケジュールが大いに短縮できるという。日米などで30数年前から行われてきた同研究において、今回のような画期的な成果を上げたのは台湾が初めて。この研究成果は先ごろ、ドイツ化学会誌「アンゲヴァンテ・ケミー (Angewandte Chemie)」のオンライン版に掲載された。 中央研究院によると、研究チームによるC群の髄膜炎菌の病原を持つ多糖体の合成により、C群の細菌性髄膜炎のワクチンを開発、国内のバイオテクノロジー企業数社が技術移転に意欲を示しているという。動物実験の結果が出れば、すぐにも契約に入り、年内に発表できる見通しだ。将来的な市場規模は35億米ドルに達するとみられる。 中央研究院は、多糖体合成技術は将来的なワクチンの発展の可能性を刷新するものだと強調する。これまでのワクチンは病原菌からの分離技術の壁により、純度に限界があり、副作用などの問題が起きていたが、これも解決できる可能性が高いという。また、がん検診や、がんおよび後天性免疫不全症候群(AIDS)の治療分野などにも応用できるとの見方を示した。

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