IPIは1950年に米ニューヨークのコロンビア大学に集まった報道関係者により設立された。第二次世界大戦を経て、報道の制限に危機感を感じたジャーナリストが、報道の自由の保護や、民主的な報道の推進に取り組んでいる。現在は世界120カ国の会員を抱える。
IPIは本部をオーストリアのウィーンに置き、世界会議を年1回開催、一流の報道関係者や政府の要人が、講演を行ったり時事問題を討論したりしている。会議内容は主催者国とIPIが企画し、最先端の報道の自由を目指し、リアルタイムの世界のメディア状況を検討する。2009年はフィンランドのヘルシンキで、2010年はウィーンとスロベキアのブラチスラバで同時開催された。
台北で行われる第60回目の会議は、報道界の世界の重鎮50人が出席、3日間で12のシンポジウムを開催する。開幕当日には、英BBCのマーク・トンプソン会長が、「良質のニュースはデジタル時代においても報道の規範となる」とのテーマで講演。中華民国(台湾)の国家安全会議前秘書長の蘇起・総統府上級国策顧問は、「台湾/中国―未来の発展の流れ」をテーマとしたシンポジウムにパネリストとして出席する。台湾海峡の両岸関係はどのように変化したのか、台湾はいかにしてソフトパワーを強化するのか、それが両岸関係にどのような影響を与えるかを検討する。さらに、取材が難しい北朝鮮報道に関し、米CNNのメインキャスター、ジム・クランシー氏や、韓国の韓昇洲(ハン・スンジュ)元外交通商部長官らが討論する。
台北での開催は1999年の第48回以来、12年ぶり。IPI世界会議の参加費用は、3日間で5,000台湾元(昼食込み、約1万3,000日本円)。公式サイトhttp://ipi.taipei.ishow.gmg.tw/で申し込みができる。