2024/05/02

Taiwan Today

経済

ジンベエザメの大規模保護活動、衛星通信型タグ計画スタート

2011/09/20
絶滅が危惧されているジンベエザメ。(行政院農業委員会サイトより)
行政院農業委員会(農委会)漁業署は19日、食材となるためこれまで乱獲が進んでいた、ジンベエザメの保護活動における成果発表を行った。同時に国立台湾海洋大学が新たに設立したジンベエザメの生態や保護に関する研究を行う「ジンベエザメ永続研究中心」と環境保護団体「Wildlife21」による共同プロジェクト、ジンベエザメの保護を目的に識別タグ付けを行う「100年ジンベエザメ標識・保育計画」のスタートを宣言した。これは衛星通信型タグ計画として世界初、世界最大のもので、今後5年で100個のタグ情報を集め、ジンベエザメの研究に取り組む。 台湾は2002年からジンベエザメの識別タグ付け作業に取り組み、4月に1匹目の識別タグをつけた個体を放流、その後353匹を放流した。うち従来型の識別タグが323匹、衛星通信型タグが30匹で、9匹のデータ受信に成功した。 漁業署によると、ジンベエザメは高度回遊性魚類に属し、台湾の近海でよくみられる。おとなしい性質で動きは緩慢なため、地元漁民には台湾語で「大憨鯊(うすのろのサメ)」と呼ばれる。身は食材としてうま味があり、アジア太平洋地域では広く漁が行われているが、子どもを少ししか生まないため繁殖率が低い上、成長も遅く、個体数が徐々に減少している。 台湾では、ジンベエザメの漁獲状況を把握するため、2001年から漁獲報告制度を実施している。また。2002年にチリ・サンチアゴで開かれた第12回ワシントン条約締約国会議で、ジンベエザメがレッドリスト「絶滅危惧種Ⅱ類」に入れられたことを受け、総個体数の管理を開始した。2005年から段階的に捕獲数を抑え、2008年からは捕獲と販売、所有、輸出入を全面的に禁止している。

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