2024/04/29

Taiwan Today

経済

中華民国百年の歴史を振り返る大作、『百年風華』出版

2011/10/05
500点以上の貴重な写真も一見の価値がある。(『百年風華』特設サイトより)

行政院新聞局は4日、遠流出版傘下の智慧蔵学習科技と共同で編集・出版した、中華民国百年の歴史を振り返る456ページの大作『百年風華』の出版記念発表会を行った。

同書は今年の建国百年を記念して企画されたもので、執筆から編集、出版までに1年8ヶ月を要した。過去100年にわたって、政治、経済、社会、文化の各側面から、それぞれの分野を代表する人物や指標的な事象、物などを題材とし、国家や社会の質的変化と成長の足跡をたどっている。新聞局は「単なる中華民国のミニ百科ではなく、全国民の物語とも言える書物だ」と説明した。同局によると「ドキュメンタリーフィルムで歴史をさかのぼり、まるでその時代に身を置いたかのように臨場感のある物語で構成されている」という。

内容は時代ごとに全10章で構成され、170篇の文章を掲載。第1章(1912~27年)「亜洲第一」はアジア初の民主共和国の建国を記し、第2章(1928~36年)では、日本統治時代に南部の水利事業に貢献した八田與一技師について「嘉南大圳の父・八田與一と烏山頭ダム」と題し李登輝元総統が執筆、3ページを割いて紹介している。また、第8章(1981~90年)「上升視野」には、歌手のテレサ・テン(鄧麗君)の一生や、台湾映画の新境地を拓いたホウ・シャオシェン(侯孝賢)監督など台湾ニューシネマの旗手たちを紹介している。

このほか、戦後の大幅なインフレに対応するために政府が取ったデノミ政策にまつわるストーリーや、小さな慈善を積み重ねた市井の人々も紹介されている。また、国立故宮博物院の国宝級の文物を運搬するために、途方もない距離を移動した木箱など、500点余りの貴重な写真もふんだんに見ることができる。

同書(現時点では中国語版のみ)は定価600台湾元(約1,500日本円)、台湾の各書店で販売されるほか、特設サイト(http://taiwanroc100.gio.gov.tw/)ではオンラインで全文が閲覧できる(無料会員登録が必要)。

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