嘉義県阿里山の先住民族、ツォウ族に伝わる神聖な祭り、マヤスビ祭(Mayasvi、戦祭)がこのほど、行政院文化建設委員会(文建会)により「国家重要民俗(日本の重要無形民俗文化財に相当)」に指定された。文建会は25日、達邦社で行われた祭りの中で証書を授与、ツォウ族がこれを祝った。文建会によると、国家重要民俗として指定された先住民族の祭りはこれが初めて。ツォウ族の居住区域は、2年前の台風8号(モーラコット)で受けた大きな被害から、復興を果たした地区にある。
マヤスビ祭はツォウ族の重要な祭りの一つで、「迎神」、「団結」、「送神」、「路祭」、「家祭」など神聖で荘厳な儀式が行われる。古代、神に狩りや戦いでの加護を祈り、収獲や勝利への感謝を示した。毎年、ツォウ族の達邦社と特富野社が交代で執り行う。
儀式では男子がワシの羽根とランの枝葉で装飾された皮の帽子をかぶる。これは神への目印で、胸にはフヨウの樹皮を織った紐を着け、邪悪な霊が入り込むのを防ぐ。また、男子の会所「クバ(kuba)」は普段、女性の立ち入りが禁止されているが、この祭りの後半では入ることができる。祭全体が音楽や詩歌、伝統工芸の伝承など、さまざまな分野の芸術的な特色を持つ。
阿里山のツォウ族の集落では、このマヤスビ祭に続き、29日には楽野集落の鼓動楓林、11月12日には来吉集落の感謝祭、同19日には山美村の鯝魚フェスティバル、茶山村あずまや文化フェスティバル、25~27日の生命豆季など、各集落特有の文化に触れることのできるイベントを開催する。