2024/05/04

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経済

「南西海域の泥火山にメタンガスの鼓動」=中央大研究

2011/10/27
政府は豊富な海洋資源を生かすため、行政院海洋事務推進プロジェクトチームを設置し、調査研究に当たっている。(海洋事務推進プロジェクトチームサイトより)

国立中央大学(桃園県)地球物理研究所の許樹坤教授は26日、台湾南西海域の海底で観測された規則的な運動に関する調査研究報告を行った。同海域の水深500メートル付近には高さ100メートル程度の泥火山(でいかざん)が多数林立しており、最近の調査で、火山のある部分の海底には潮の干潮と同期する規則的な弱い振動が観測された。こういった規則的な振動によりにあるメタンガスが浅い部分に出て来やすくなり、海水中に出ることもあるという。

泥火山からのガス噴出と地震の関係を調査するため、中央大学は行政院国家科学委員会の助成を受け、泥火山の周囲に地震計8基を設置、21日間にわたり観測を続けた。

観測によると、海底の地層の振動は潮の干潮により強弱が変化、潮の変化が大きいときほど振動が大きくなり、海中では通常よりも高い濃度のメタンガスと二酸化炭素が観測された。

水深500メートルの部分は、メタンハイドレードとメタンガスとの臨界点が存在する。メタンが気体となるとき硫酸塩還元作用で二酸化炭素が発生、2つの気体がともに海底から水中に噴出し、これが大気に達すると、地球温暖化を加速することにもなる。しかし一方で、適切な開発を行い、南西海域に豊富に埋蔵するメタンハイドレードとメタンガスを国家の天然エネルギーとして利用することもできると研究報告は指摘した。

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