2024/04/29

Taiwan Today

経済

胡蝶蘭輸出額、今年は1億ドル近くに

2011/11/18
シンガポールの国際ラン展でグランプリを受賞した「台湾黄金天鵝蘭」。名称は花弁が黄金色で白鳥の翼のようであるという意味。(中央社)

行政院農業委員会(農委会)は17日、胡蝶蘭(コチョウラン)輸出額は今年10月末までで前年同期比21%増の8,064万米ドルに達し、通年では1億米ドル近くとなるとの見通しを示した。農委会によると、ここ数年で輸出額が飛躍的に伸びており、2004年の2,339万米ドルから2010年には8,255万米ドルへと3.5倍に成長した。業界団体の台湾蘭花産銷発展協会によると、昨年の胡蝶蘭栽培農家は349世帯、栽培面積は182ヘクタール、従事者数は5,500人に達した。

ランの新品種育成者の権利を守るため、農委会では品種登録を推進している。今年は10月末までに518件の出願があり、登録が認められた胡蝶蘭およびドリティノプシス属の品種は189件に達した。また、台湾で育成された品種による欧州連合(EU)や日本、米国への出願件数は120件以上で、78件が育成者権を認められている。なお、EUへの出願は今年1月から審査手数料が1,200ユーロ(約12万4,390日本円)から750ユーロ(約7万7,723日本円)に引き下げられ、コストが低減したほか、審査期間も短縮されている。

農委会は2008年から花卉(かき)研究チームを立ち上げ、業界のニーズに応え技術の不足を補うべく、研究開発に取り組んでいる。具体的には原種取引のプラットフォームを設置し、新品種の開発を促進、これまで11件の育成者権を獲得するとともに、自動化省エネ温室施設や、遮光による生長抑制・生長促進技術、長距離海運の技術の研究開発、、胡蝶蘭の生理検査サービスプラットフォームの設置などの成果を上げ、産業の発展に貢献している。

海外市場開拓では、2004年7月、米国と「台湾からの栽培媒質を附帯する植物の作業計画」で提携したことをきっかけに、104業者と温室187棟が米国基準を満たし、2010年には同国への輸出量が1,463万株と、2005年の50倍に成長した。同国への輸出量は今年10月末までで昨年通年を上回る1,500万株と、前年同期比38%の大幅成長を果たしている。農委会はこのモデルをカナダや韓国、オーストラリア、ニュージーランドでも採用し、検疫障壁を解消して輸出市場をさらに開拓する方針としている。

国際見本市では、英国王立園芸協会主催の「チェルシー・フラワー・ショー」で昨年シルバーメダル、今年はゴールドメダルを獲得、英国女王にも称賛された。今月のシンガポールでの国際ラン展ではグランプリを取得、良質のランのイメージを国際的にさらに固めた。2005年からは台湾でも「台湾国際ラン展」を開催、既に東京の世界らん展日本大賞と国際ラン展に並ぶ世界三大ラン展に成長した。

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