アジア開発銀行（ADB）が現在取り組んでいるプロジェクトへの理解を深め、商機獲得を目指すセミナーが22～23日、台北世界貿易センターで開催された。アジア・太平洋における経済成長及び経済協力を進め、開発途上加盟国の経済発展を支援するADBの調達担当者が、物品の調達や公共工事の入札募集、専門分野のコンサルタントの選抜における作業手順を説明すると同時に、現在進行中、または将来予定するプロジェクトでのビジネスチャンスについて、サービス受託や受注を狙う企業を対象に紹介した。
ADBの資料によると、同銀が2009年と2010年に発注した公共工事や物品調達などの金額は、それぞれ106億米ドル、68億米ドルに達した。セミナーの開催を通じ、実力のある台湾企業の商機獲得を支援し、さらなる国際競争力の向上と海外市場開拓を促進する方針だ。
ADB担当者によると、同銀の2008～2020年の長期発展戦略は、貧困の克服を第一のテーマとし、「包括的な成長」、「環境的に持続可能な成長」、「地域統合」を三本柱としている。核とする分野は「インフラ」、「環境保護（気候変動）」、「地域協力と統合」、「金融部門」、「教育」の5つ。
同セミナーは経済部国際貿易局、中央銀行外為局、中国輸出入銀行、財団法人国際協力発展基金会、中華民国対外貿易発展協会の主催、外交部の共催で行われた。中国輸出入銀行は、ADBのプロジェクトへの参加に合わせた融資や保証、保険など金融サービスを紹介した。23日午前は希望する企業向けに、ADB担当者との個別相談などが行われた。