2024/04/29

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経済

「PSの父」久夛良木健氏、父の遺品残る中興大学を訪問

2011/11/29
久夛良木氏(右)は、父の卒業証書を携え中興大学を訪問、李徳財学長(左)が歓迎した。(中央社)

ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の創設者で、家庭用ゲーム機「プレイステーション」の父と言われるソニーの久夛良木健・シニアテクノロジーアドバイザーがこのほど訪台、父の武次氏と叔父の英次氏が学んだ母校に残された手書きの原稿に対面した。

武次氏と英次氏は、台北帝国大学付属農林専門学校(台中市にある国立中興大学の前身)で学び、父の武次氏は1938年に「政府による台湾の伐採事業」という論文を執筆、阿里山(嘉義県)や太平山(宜蘭県)、八仙山(台中市)の樹木の種類と伐採状況を研究した。また、英次氏は1940年に「台湾地方の亜麻の播種(はしゅ)期と品種の試験」という論文を執筆し、亜麻の栽培に適した時期は、台湾の稲作の休耕期である冬季だが、主に季節風が損害の主因となっていると論述した。2人の論文はいずれも同大学の資料庫に残されている。

2人の論文を実際に目にした久夛良木氏は「中興大学が70年前の手書き原稿を良好な状態で保管していたことに感動した」と述べた。また、幼い頃から父に台湾のことを聞き、父が小中学校から大学まで過ごした台湾を「もう一つの故郷」と呼んでいたと思い出を語った。久夛良木氏はインターネットを通じ、同大学に父の手書きの原稿が残されていることを突き止め、このたび同大を訪問することを決めたという。

久夛良木氏は、論文筆者の親族として、同大学がデジタルデータ化した手書きの論文を公開することに同意した。同大学は複製を製本し、久夛良木氏に寄贈した。

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