「台湾学」の膨大な学術データをオンラインで検索できるクラウドサービス「台湾学術オンライン(Taiwan Academic Online、TAO)」が30日、遠流出版から発表された。遠流傘下の智慧蔵学習科技が2年をかけ、700余りの学術組織や出版社の支援を受けながら、学術定期刊行物の文献13万本と、学術専門書2,000冊超を網羅するシステムを構築、国家図書館の博士修士論文システムと合わせた全文検索が可能だ。
遠流によると、TAOは現在、台湾の電子書籍で唯一、正式に中国市場で展開するデジタルコンテンツのプラットフォームだという。内容は台湾研究から漢学研究、人文社会科学、バイオテクノロジー・医学、グリーンエネルギー・環境保護、情報通信・光電などの分野に渡るが、現時点では唯一、「台湾学」を中心とした学術パブリッククラウドだ。また、当初はすべて台湾の研究者の執筆した内容だが、次段階では他国の研究者の著作も取り上げ、中国語に限らず英語や日本語、韓国語によるものも収録していく予定。
TAOは大学などの学術機関を主なユーザーとして、サービスを提供していくが、一般市民も無料で文献データの検索が可能となっている。ダウンロードや全文の閲覧には遠流が販売するポイントを購入するシステムとなっている。
智慧蔵学習科技はこのほか、TAO内に研究者のための「研究者サービスネット(Top Scholar Online、TSO)」を構築した。研究者は加入することで自身の公式サイトを設け、業績や経歴、論文リストなどを掲載できる。台湾の研究者だけでなく、他国の研究者との交流プラットフォームとし、台湾の研究者による論文の国際的な注目度を高めたいとしている。