2024/04/29

Taiwan Today

経済

「今年の台湾経済はQ1が底、季ごとに上昇」経済部予測

2012/03/02
世界主要国の経済成長率(単位%、2012年は予測値)。左から世界、中華民国(台湾)、米国、日本、ユーロ圏、中国大陸、インド。(経済部統計処ニュースリリースより)

経済部統計処の1日発表によると、重要指標に基づき予測される今年の経済成長率は4.04%で、第1四半期の1.19%を底に、四半期ごとに上昇し第4四半期は6%となる見通しだ。第1~第4四半期の平均は3.85%。また、輸出額は第2四半期から800億米ドル以上の水準となり、通年では前年比4.9%増の3,233億米ドルに達するとの予測だ。一方、民間投資は、外需の成長鈍化を受けハイテクメーカーが生産拡充の歩調を緩めるため、2兆2,000億台湾元(約6兆841億日本円)と前年比で1.16%減少するとみられる。

輸出受注額は1月、315億米ドルで、春節(旧正月)連休のため前年同月比8.6%減だったが、1月としては過去2番目の高水準だった。税関統計による輸出額は同16.8%減の211億米ドル。

内需市場に目を向けると、1月の飲食業売上高が348億台湾元(約962億日本円)の単月過去最高、小売業売上高が3,360億台湾元(約9,291億日本円)で単月過去2番目となった。これに卸売業を合わせた売上高は1兆1,270億台湾元(約3兆1,164億日本円)で前年同月比7.2%減だった。2月はこれが同6.1%成長する見通し。うち卸売業は同6.1%増、小売業は同7.1%増、飲食業は同1.9%減となる予測だ。

生産面では1月、旧正月連休となったため稼働日が減少、工業生産額が前年同月比16.5%減少した。2月の工業生産指数は119.57ポイントで同5.2%上昇、プラス成長の傾向にある。

就業面は、1月の失業率は前月から横ばいの4.18%、前年同月比で0.46ポイント低下し、労働市場が安定していることを示した。また、緊急受注などを受け、2月15日現在の無給休暇の届出人数は6,959人と前月末から5,000人減の大幅減となり、昨年末のピークの半数に下がった。

なお、昨年のサービス輸出は前年比14%増の459億5,000万米ドルで過去最高となった。一方、サービス輸入は420億米ドルに増加。サービス貿易全体では4年連続の黒字となり、黒字額は過去最高の39億5,000万米ドルとなった。また、サービス輸出額は世界全体の1.1%を占め、世界24位。国内総生産(GDP)比でみると9.8%で、英国10.0%と同水準、米国3.6%や日本2.5%、韓国8.0%、中国大陸2.9%を上回った。

さらに、東南アジア諸国連合(ASEAN)主要6カ国向けの輸出は近年、輸出全体の13~15%程度だったが、昨年は16.5%の過去最高となり、2番目の輸出市場となっている。2001~2011年の同地域向け輸出は年平均で13.0%成長しており、輸出全体の平均9.3%を上回った。また同地域への輸出依存度が高まっており、昨年のGDP比は10.9%と初めて1割を超え、10年で2倍に拡大した。

ASEAN主要6カ国向け輸出のうち、シンガポールが33.3%と最も高く、次いでベトナム17.8%、フィリピン13.7%、マレーシア13.6%、タイ12.1%、インドネシア9.5%となっている。また輸入ではベトナムが8.3%と最も高く、次いでフィリピンが7.0%、シンガポールとマレーシアが5~6%だった。ASEAN各国市場でのシェアはインドネシアで11位となっているほかは、軒並み6~9位を占めている。シェアは近年、ベトナムでの減少が目立ち、タイとマレーシアでは小幅減、インドネシアは微増となっている。

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