2024/04/28

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経済

H5N2型鳥インフル、「高病原性」と判断:農委会

2012/03/05
農業委員会ではH5N2型鳥インフルエンザを「高病原性」として、積極的な対応を。(中央社ニュースサイトより)

行政院農業委員会(農委会)動植物防疫検疫局はこのほど、台湾で初めて、高病原性とされるH5N2型の鳥インフルエンザの感染が確認されたと明らかにした。台南市の肉用養鶏場で4500羽、彰化県の卵用養鶏場で5万3000羽を殺処分済み。人に伝染することは無いという。

防疫検疫局は、世界保健機関(WHO)の声明、関連の文献や研究、各国のH5N2型鳥インフルエンザに関する経験を根拠に、同インフルエンザは鳥類の疾病で、人体の健康とは無関係だと説明。台湾全土の家禽類処理業者は処理前と処理後の検査を全面的に強化し、処理検査合格鶏肉もしくはCAS肉製品(台湾優良農産品発展協会による認証)と表示されたものはすべて政府の処理衛生検査を合格してから流通することになると強調、消費者は安心するよう呼びかけた。

彰化県の養鶏場のケースでは、彰化県動物防疫検疫所が昨年12月27日に通報を受けて調査を開始、31日から鶏の殺処分が終わるまで移動管制を実施した。同養鶏場の鶏は健康で目立った症状は無く、鶏卵も正常に生み、死亡率も正常値を下回っており、「高病原性鳥インフルエンザ検査方法」やその他の文献に記載される典型的な鳥インフルエンザとは異なっていた。しかし、慎重を期すため行政院農業委員会に属する家畜衛生試験所で文献の解析を強化、必要な試験を行うと共に、鳥インフルエンザの専門家を招いて2度の会議を行った。その結果、症状は低病原性だったが、遺伝子面では高病原性を呈したことに基づき、さらに流行病学でのリスク管理の必要性から、総合的に判断して積極的な防疫行動を採ることにした。

防疫検疫局では、業者が警戒を高め、養鶏場の鶏への自主的な健康管理と観察など各種安全措置を十分行い、産業の安全な生産を確保するよう呼びかけた。今年実施している鳥インフルエンザ防疫計画では、高病原性の鳥インフルエンザが確認された場合は、その養鶏場の鶏をすべて殺処分にすると共に消毒を徹底することになっている。そして、3キロ以内で疑いがすべて無くなるまで、調査とサンプル検査を継続する。

なお、行政院衛生署疾病管制局では、鳥インフルエンザウィルスの海外からの侵入や感染を防ぐため、家禽類の密輸や持ち込みはしないよう呼びかけると共に、出国する人は自らの健康に注意し、家禽類との接触を避けるよう求めた。また、帰国時に発熱やインフルエンザに類似した症状がある場合、空港の検疫人員に協力を求めるようアドバイス、帰宅後気分が悪い場合はマスクをした上で、病院で診察を受けるよう呼びかけている。

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