2024/05/03

Taiwan Today

経済

馬総統、競争力向上への政策5本柱を明らかに

2012/04/20
台北市アメリカ商会の食事会に出席した馬英九総統(中央)は国際的な競争力向上に5本柱の政策を発表。左はアメリカ大使に相当する、アメリカ在台湾協会台北事務所のスタントン所長。(中央社)

馬英九総統は19日夜、「台北市アメリカ商会・2012年謝恩食事会」に出席、政府は「貿易自由化・主要産業の改造・公共事業への市場価格反映・教育体系の国際化・海外からの人材呼び込み」を5本柱として、中華民国(台湾)の国際的な競争力を積極的に高めていく考えを示した。台北市アメリカ商会(American Chamber of Commerce In Taipei)は台湾で活動するアメリカ企業の団体。

貿易自由化について馬総統は、アメリカは台湾にとって三番目に大きい貿易パートナーであるにもかかわらず、アメリカ産牛肉問題がネックとなり、1994年に結んだ「台湾・アメリカ貿易及び投資枠組み協議(TIFA)」に基づく話し合いをいまだに再開できないと残念がる一方、中華民国政府は話し合い再開への環境整備に努めているとして、早期の再開に期待する立場を示した。

馬総統は、貿易は台湾を「世界のイノベーションセンター」、「地域経済の中枢」へと生まれ変わらせるとして、貿易自由化実現のため、台湾は保護主義的な思考から脱却して対外的な開放を進めていくしかないと強調、高雄市が計画する「自由経済モデルエリア」はその政策の一つだと説明した。そして、向こう10年以内に「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)」に加わるとの目標を重ねてアピールした。

主要産業の改造について馬総統は、台湾が「世界のイノベーションセンター」となる上で、産業の重点が設計や研究開発へと移っていく必要性を指摘、台湾をコストの低減と効率向上のみを重視する経済体から、付加価値の創出とイノベーションを主とする経済体へと変貌させなければならないと述べた。馬総統は、電力や石油製品、天然ガスなどの公共事業を市場メカニズムに合うよう調整することは、資源の効果的な使用や分配を促し、市場の力は台湾のグリーンエネルギー産業を発展させ、国の国際競争力をさらに強めるとしている。

また、馬総統は教育体制の国際化にも言及、台湾の識字率は97%、大学合格率は92%だとした上で、世界から学生や教師を受け入れていく必要性を指摘した。馬総統は、海外からの学生が台湾で学ぶ学生全体に占める割合を2020年には10%まで増やし、台湾の学生と教師の競争力を高めると述べた。そして、ビジョンある移民政策で国際的な人材を呼び込むと共に、彼らが台湾の社会に長期的に貢献できるよう奨励していく考えを示した。馬総統は、国際的な人材が集うことは新技術と知識をもたらすことになり、台湾経済の発展にプラスだとしている。

馬総統はそして、向こう4年間は台湾の経済にとって重大な転換期だとして、各政党の方法と戦略は若干異なったとしても、力を結集し、理性的な議論をして将来の課題に共同で立ち向かっていかなければならないと強調した。

ランキング

新着