行政院農業委員会(農委会)は、米国で4例目となる牛のBSE(牛海綿状脳症=狂牛病)への感染が確認されたことを受け、5日から衛生署職員や民間の専門家とともに人員を米国に派遣し、実地検査を進めている。
農委会によると、米国全土において、わが国の品質システム評価(QSA)のプログラムの要求を満たし、かつわが国向けの輸出を手掛ける業者は35業者となっている。農委会は衛生署と協議した上で、今年1月から4月までの台湾への輸出量の多い食肉解体場10業者から8業者を選び、さらにホルモン剤や抗生物質を使わず育てられた牛の処理場1カ所を加えた業者について実地検査を進める。これらは米国の主要な牛肉生産地に分布し、台湾市場への供給量のうち78.01%を占める。
わが国は月齢30カ月以下の牛の肉の輸入のみを認可するとともに、脊髄や扁桃腺など特定危険部位(SRM)を確実に除去するよう求めていると農委会は指摘。今回の実地検査の重点は、牛の月齢の鑑定や、解体された牛の年齢区分による冷蔵、SRMの除去、解体・処理場が関連する米国の衛生品質管理計画に基づいて業務を進めているかどうか、米農務省によるQSAプログラムを実施しているかどうかなどとする。
今回の訪米では、米農務省本部や農務省下の国立動物検疫研究所(NVSL)も視察し、4例目の牛BSE感染についての疫学的な調査報告や診断、処置などの情況を把握する。さらに、飼料工場や一般の牛飼育場も訪れ、欧州連合(EU)向けホルモン非投与肉牛の飼育管理措置への理解も深めるとしている。