2024/04/29

Taiwan Today

経済

輸出企業の生産拠点、台湾へUターン傾向が明らかに

2012/06/01
台湾企業の海外生産拠点の多くを中国大陸・香港が占める。中国大陸での投資を行う企業や投資家の権益保護のため、台湾海峡両岸間での投資保護協定が上半期内に締結される見通しだ。(中央社)

経済部統計処が5月31日発表した、「2011年輸出受注の海外生産実況調査結果分析」報告書によると、輸出企業が新たに設置する生産拠点について設置場所を海外から台湾にシフトさせている傾向が明らかになった。調査対象のうち12%近くの企業が今年、台湾で生産拠点を増設し、中国大陸の生産拠点の比率を下げる予定があると答えた。うち、台湾での生産拠点増設を予定している業種は、機械、基本金属、紡績.衣料が最も多かった。

月例の輸出受注調査速報によると、2011年の海外生産比率は平均50.52%だった。うち中国大陸・香港が主な海外生産拠点であり、その比率(46.83%)はほぼ台湾(49.48%)と同程度に高まっている。また、同地での販売の比率も同時に上がっており、海外生産の製品と現地の販売市場のつながりが深くなる傾向が明らかとなった。

このほか、海外生産拠点としては東南アジア諸国連合(ASEAN)主要6カ国が1.41%、その他アジアが1.65%、欧米地域が0.55%だった。特に海外生産が多いのは情報通信製品の83.57%(うち中国大陸・香港が82.52%)、電機製品の62.36%(同61.16%)、精密機器が59.94%(同58.80%)だった。さらに、電子製品は52.27%(同41.81%)だった。

さらに、輸出企業では、台湾企業の間で競争となるケースが増えている。主なライバルとしては、「台湾企業」を挙げた企業が最も多く、次いで「中国大陸系企業」、3位が「海外の台湾系企業」だった。

ただ、輸出企業の主力となる3大製品群の電子製品、情報通信製品、精密機器のメーカーをみると、中国大陸・香港での生産におけるライバルに「台湾企業」を挙げた比率はそれぞれ、30.87%(前年比6.14ポイント下落)、35.38%(同5.99ポイント下落)、29.63%(同13.61ポイント下落)で、軒並み前年から比率を下げている。一方で、「海外の台湾系企業」を挙げた比率はそれぞれ3.57ポイント、19.07ポイント、9.56ポイント上昇しており、ライバルとして海外の台湾系企業が台湾企業と入れ代わる形で浮上していることが明らかになった。また、ライバルを中国大陸系企業とした割合は20~26%となっており、中国大陸系の企業の台頭が台湾企業にとってプレッシャーとなっていることが明らかになった。

このほか、海外生産にあたり、台湾の親会社が受注の割り当てや生産能力の調整、財務管理を担う比率が高く、台湾において海外生産における運営管理の業務を行っていることが明らかになった。

同調査は今年2月21日~3月30日に行われ、対象3,000社のうち有効サンプルは2,718社、回収率は90.60%に達した。

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