2024/04/28

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経済

中央研究院、国際漢学会議を開催

2012/06/20
清朝下の台湾における刑事事件の調査資料「験屍格」では、当時の殺人事件の調査における極めて詳細で明確な記録方法をみることができる。(中央社)

中央研究院は20日から22日まで、「第4回国際漢学会議」を開催、開幕式が20日午前、同院の人文社会科学館国際会議場で行われた。3日間の同会議では、内外の研究者が論文289本を発表、参加者は全世界から計1,600人を超える見通しだ。

今回の会議の目的は、過去10年の漢学の動向を振り返り、今後の人文科学研究の新たな形勢を探ることにある。また、分野横断的な対話を重視し、学問ごとの領域や国境、世代の壁、さらには「中華文化」や「伝統的な漢学」といった硬直した枠組みを越え、多元的なエスニシティの特徴を取り入れながら、よりグローバルな人文科学研究の成果を上げたいとしている。

このため、会議の進行は、学問の領域で分けた分科会ではなく、27のテーマに沿ってテーマ別のシンポジウムと学術討論を69回に分けて行う。テーマは「医療、身体、環境衛生」や「中国近代都市の文化と生活」、「漢民族の民間宗教研究」、「近代中国におけるジェンダーの構築と再現」、「近現代の閩南(福建省南部)・台湾商人の活動と商工業の伝承」など、多岐にわたる。

論文発表を予定する研究者は台湾からが44%、その他56%は英国、フランス、ドイツ、米国、カナダ、中国大陸、香港、日本、韓国、シンガポール、イスラエル、オーストラリア、ニュージーランドの13カ国・地域からとなっている。今回は特に若手研究者に発表の場を提供するとし、論文全体の4分の1を占める70本が若手研究者によるもの。会議参加者にも、若手研究者や大学院生も多い。

この会議は1980年に中央研究院が第1回会議を開催、4回目となる今回は12年ぶりの開催。詳細は公式サイト(http://proj3.sinica.edu.tw/~icosas/、中国語・英語)で紹介している。

なお、中央研究院は、この会議に合わせ、18日から23日まで、同院の歴史言語研究所文物陳列館地下1階で、特別展「台湾人文科学の広範な視野―台湾の漢学資源とそのデジタル展示」を開催する。デジタル技術を通じ、台湾の貴重な漢学研究資源を展示する。

台湾の漢学研究史においては、日本統治時代に植民地政府が清朝の地方官庁から多くの文書を受け継いでいる。このうち、乾隆41(1776)年から光緒21(1895)年の淡水庁、台北府、新竹県の行政や司法に関する資料綴「淡新檔案」は、当時の漢人社会を研究するに当たって極めて貴重な史料だ。特別展では、この資料綴のうち、刑事事件の調査資料「験屍格」を展示し、清の時代の殺人事件の調査における極めて詳細で明確な記録方法をみることができる。特別展の公式サイトはhttp://content.teldap.tw/exhibition/(中国語・英語)。

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