2024/05/08

Taiwan Today

経済

アルファ磁気分光器計画、台湾に監視制御センターを設置

2012/07/02
中山科学研究院にAMS計画の地上監視制御センターが設置される。ジュネーブに次いで世界で二番目。(中央社)

中華民国(台湾)がアルファ磁気分光器(Alpha Magnetic Spectrometer,AMS)計画に参与して10年あまり。長期にわたる努力が実り、このほど、AMS計画のアジアにおける監視制御センターを国防部軍備局中山科学研究院に誘致することに成功した。地上での監視制御センターが設置される国は二つ目で、中華民国の宇宙研究にとって大きな一歩となる。

AMS計画はアメリカのエネルギー省が世界16カ国の科学者と協力して進めている国際協力計画。ノーベル物理学賞受賞者で中央研究院の院士である丁肇中氏が中心となっている。主な目的は、宇宙線中の荷電粒子(Charged Particles)の測定、反物質(Anti Matter)、暗黒物質(Dark Matter)及び欠損物質(Missing Matter)の確認。これらによって、ビッグバン理論を検証し、宇宙形成の謎に迫ろうというもの。

監視制御をさらに万全のものにし、ジュネーブにある監視制御センターの負担を減らすため、丁肇中氏はアジアに監視制御センターを設ける必要があると判断。数多くの国が誘致に取り組む中、中華民国のチームはAMS計画における研究と開発での卓越した成績が高く評価され、最終的に北部の桃園県龍潭の中山科学研究院龍園研究パークでの設置が決定した。3日には運営開始のセレモニーが行われる。

中華民国での監視制御センターは中央研究院が主導、中央研究院の李世昌院士が統括、中央大学などと提携すると共に、国内の学術界の力を結集して宇宙研究における経験をより豊富なものにしていくという。

アルファ磁気分光器とは、国際宇宙ステーションに搭載されている素粒子物理学の実験装置。

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