国際的な格付け会社、ムーディーズ・インベスターズ・サービスはこのほど、中華民国(台湾)の国債に対する格付け(ソブリン格付け)を「Aa3」に据え置いた。今後の展望は「安定」と評定。
中央銀行によると、ムーディーズが格付けを据え置いた主な原因はまず、「台湾の経済が優れており、対外的な債務返済能力が強いこと」。ムーディーズは、台湾経済にはきわめて強い粘り強さ、並びに金融面での民間と政府の力が備わっている一方で、財政と政治のリスクが「中の下」程度にとどまっていると評価。また、豊かな海外資産と国内の貯蓄が融資のニーズに十分応えられると指摘した。
「効果的な通貨管理メカニズムと情報の透明性」も原因の一つ。ムーディーズは、中華民国は国際通貨基金(IMF)の会員国ではないが、中央銀行の統計資料の透明度は高く、IMFの基準で作成されている他、タイムラグの無い、まとまった形で提供されると説明、中央銀行の通貨政策は慎重かつ効果的にインフレを制御、物価上昇率を長期的かつ安定的に低レベルに保っていると評価した。
ムーディーズはそして、台湾は中国大陸との間で、海峡両岸経済協力枠組み協議(協定)、両岸通貨決済協力覚書を交わしている他、その他の国々とも自由貿易協定締結に向けて交渉を進めており、これらは将来の経済成長をもたらすと期待している。