中央研究院分子生物研究所の薛一蘋研究員の研究チームは、自閉症が発症するメカニズムを研究し、このほど扁桃体に連絡する神経回路に異常があったときに、自閉症に似た行動を引き起こすことを突き止めた。この研究成果は今月、神経科学分野で最も権威ある国際学術誌、「Nature Neuroscience」に掲載された。
研究チームによると、扁桃体に連絡する神経回路に異常があると、自閉症に似た行動を引き起こすことを発見。これは特定の神経回路の欠陥が自閉症を引き起こす可能性を指摘した世界初の文献となった。チームはさらに、抗生物質のD-サイクロセリンが自閉症に類似した症状を持つマウスの異常行動を治療するのに有効であることを証明した。
今回の研究では、自閉症の発症メカニズムを明らかにしただけでなく、有用な臨床薬をも提供している。