2024/05/03

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経済

高雄「呉府千歳」の「王船」巡礼、爆発事故の被災者癒す

2015/04/17
昨年8月に高雄市で起きた爆発事故では32人が死亡、300人あまりがけがをした。「王船」が主な被災地、同市前鎮区を巡回することで犠牲者を弔い、被災者たちの傷ついた心を慰める。写真は蘇春発氏がてがけた見事な「王船」。(高雄市政府サイトより)

台湾南部・高雄市前鎮区にある道教の廟、籬仔内代天院が祀るのは「呉府千歳(道教の神様「王爺」は五人いると言われ、呉府千歳はそのうちの一人)」。昨年8月1日、高雄市内で石化パイプラインの大規模な爆発事故が起きたことから、今年、代天院は同市茄萣区崎漏里の廟、金車壇と協力、国宝クラスの職人である蘇春発氏に依頼して長さ約12メートルの「王船」を制作した。「王船」は「王爺」を祀るもの。

19日からはこの「王船」が茄萣区から前鎮区に移動して区内を巡回、最後は茄萣区の海辺に戻って燃やされる。「王船」を燃やすのは台湾南西部の沿海地域で行われる道教の伝統的な祭典で、災いを遠ざける意味合いがある。今年は「王船」が爆発事故の被災地である前鎮区を練り歩くことで、被災者たちの傷ついた心を慰める。

祭典は19日から25日まで、7日間にわたって前鎮区憲徳街に位置する代天院で行なわれ、最後に「王船」が再び茄萣区の海辺に戻され、「王船」を燃やす儀式が行なわれる。

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