2024/05/08

Taiwan Today

経済

ろうあの人向け緊急通報アプリ、ろうあの両親持つ若者が開発

2015/04/28
ろうあの両親を持つ若者、高雄の蔡佳緯さんは、ろうあの人たちのために、文字メッセージで緊急通報のできるモバイルデバイス向けアプリを開発した。(Google Playサイトより)

台湾南部、高雄市に住む蔡佳緯さんは、ろうあの両親を持つ若者。小学校6年生のとき、自宅から出火し、電話で通報することのできない両親が蔡さんを連れて外に避難し、自宅が燃えるのを外から眺めるしかなかったという経験を持つ。また、大学2年生のとき、両親が交通事故に遭ったにもかかわらず通報できず、こういった経験から蔡さんはろうあの人のため、ショートメッセージで通報のできるアプリを開発しようと決心した。蔡さんは開発した技術を公的機関に供与し、これが人生初めてのまとまった収入をもたらした。

蔡さんがろうあの人のために設計したアプリでは、ユーザーは前もって氏名や住所、緊急連絡人といった情報を入力し保存しておく。緊急事態が発生した際には、アプリ上で「火災」、「交通事故」といったメニューを選んで送信をクリックすれば、それが直接、内政部警政署(日本の警察庁に相当)のシステムに送られて通報することができる。

このアプリはリリースされてから、ろうあの人だけでなく、すぐに電話で通報できない一般の人々にとっても極めて実用的なものとなっている。この通報アプリ、i-Helpのユーザーのうち約2割はろうあではない人たちで、尾行されたり、誘拐されたりした状況のもとでも、指先でタッチスクリーンを操作するだけで通報でき、非常に有用だという。

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