「おいしい米」として台湾中にその名をとどろかせ、全国米コンテストで3連覇した台湾東部、台東県池上郷の「池上米」が、今年9月の「全国名米産地コンテスト」には出品されないことが明らかになった。同郷の張堯城郷長は5日、地元で行われた池上米の品評会で、「池上米は国内から海外戦略へとシフトする」との方針を示した。
張郷長は、池上郷では11年前から全国米品質コンテストに出品しており、数々の賞を獲得してきたが、受賞してからというもの賞を獲れるかどうかが大きなプレッシャーとなってしまっていたと語った。池上郷がコンテストに出ないことで、他の郷や鎮（日本の町と村に類似）にもチャンスが広がると述べ、今後同郷は池上米を世界各地の見本市などに出品し、世界市場に向け発信していくと語った。張郷長は、コンテストの出品取りやめは農協や精米所、農家と意思疎通を図った上で合意したものだが、将来的に再度出品するかどうかについて、農家の反応を見るとして明言を避けた。
品評会の審査員を務めた江瑞拱博士は、今年の賞金は総額250万台湾元（約976万日本円）に上り、全国コンテストを大きく上回る額だったと説明。厳しい競争は栽培技術のさらなる向上につながるため、全国コンテストに参加しなくとも質が下がることはないと語った。