台湾北西部の新竹市にある新竹サイエンスパークでエンジニアとして働いていた呉杰峰さん、呉語橋さん、劉秀美さんは8年前、総額600万台湾元(約2,224万日本円)を出し合い、同県芎林郷の森林一区画を購入した。3人はこれを「自然谷」と名付け、荒野保護協会に管理を委託、台湾で初めて環境公益信託を通じて恒久的に保存される土地となった。8年間に及ぶ生物生息地や生態系の保護の取り組みの結果、最近ではヤイロチョウ(八色鳥)の姿が職員によって確認されるようになっている。
ヤイロチョウは希少種の渡り鳥で、主に日本や韓国、中国大陸、台湾で繁殖、生息する。鮮やかな色とりどりの翼に可愛らしい姿のヤイロチョウは、人類に近い山間部に生息するため、その生息環境が人間の影響を受けやすい。
ヤイロチョウはすでに、アジア版鳥類レッドデータブックで絶滅に瀕する生物に指定されている。全世界でも個体数は約2,000羽と推計され、希少かつ保護の必要な鳥類となっている。