2024/05/05

Taiwan Today

経済

鋳造業のレベルアップと変革で製造業けん引を=毛行政院長

2015/09/07
毛治国行政院長(右)は5日、台湾中南部・嘉義県にある鋳造会社を視察した。(行政院サイトより)

毛治国行政院長(首相)は5日、台湾中南部の嘉義県にある「穎杰鋳造工業株式会社」を訪問、「鋳造は機械の母であり、鋳造業の発展は直接台湾の工作機械、宇宙航空、水栓金具及び自動車部品などの産業競争力に影響する」と指摘した。毛行政院長はしかし、近年、鋳造業は3K(汚い、きつい、危険)産業のイメージや、産業の海外流出による影響で従業員の高齢化が進んでおり、将来的には後継者不足の問題があると懸念、鋳造業のレベルアップと変革を急ぐことで、国内の製造業全体の成長をけん引させる必要があると強調した。

毛行政院長は、「穎杰鋳造工業」が鋳造業のレベルアップ推進を堅持し、大規模な投資で工場の環境を改善していることを評価。同社は3K産業とされる鋳造業を、「3C(Clean, Career, Competitive)」に変身させ、生産額の拡大など各方面での目標を達成している。毛行政院長はそして、「3C」にさらに「クリエイティブ(Creative)」が加わり、「4C(Clean, Career, Competitive, Creative)」型産業となるよう希望。毛行政院長は3Dプリンティングと鋳造業を例に、両者は関係が深く、互いに補い合って競争力を高められるはずと強調、鋳造業が3Dプリンター技術を導入すれば、商品開発に必要な時間を短縮でき、より多くの高レベルなオーダーが得られるとの見方を示した。

経済部(日本の経産省に相当)によると、鋳造業は今年度の「産業レベルアップ・イノベーション・プラットフォーム指導計画」における指導対象で、鋳造業の企業10社以上に対してレベルアップと変革を指導、向こう2年間で総額10億台湾元(約36億日本円)以上の投資を促していく予定。また、クラウド技術を応用した「鋳造クラウド」を整備し、鋳造業のレベルアップと変革を加速する。

労働部(日本の厚労省に類似)は今年5月に、現行の「鋳造業における労働環境改善に向けての補助作業要点」を拡大する法改正を行うと共に公告しており、企業への補助金を約2倍に増やした。また、人材の育成面でも、教育部(日本の文科省に類似)が、鋳造業者の申請する産学連携協力計画を認可している。

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