2024/05/03

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日本から寄贈された文化財、台南芸術大が修復

2015/10/20
日本の収集家の遺族から寄贈された文化財コレクションが、国立台南芸術大学の修復師の手でよみがえった。(台南芸術大学提供、聯合報)

鬼瓦師として活躍した日本の故・小林平一さんは生前、さまざまなところに出かけ、現地で文化財や昆虫、鳥類の標本を収集していた。小林さんの死後、台湾で収集された小林さんのコレクションが2年前、台湾南部の台南に寄付された。木彫り作品の一部は長い年月修復されず、シロアリに食われたり虫の卵が産み付けられるなど損傷がひどかったものの、国立台南芸術大学の文化財専門の修復師の技と忍耐強さによって、本来の姿を取り戻し17日から展示され、ついに人々の前に現れた。

台南市美術館準備室は、台南芸術大学の博物館学・文化財保護研究所に委託し、小林さんの遺族から寄贈された、等身大のバリ島の木像彫刻、鳥の羽で装飾したニューギニアの仮面など、木製の文化財10点の修復に取り組んだ。

修復師の王沐濚さんによると、木像彫刻は台座の虫害がひどく、表面から中に向けて3センチメートル、底部から上に向けては17センチメートルも侵食され、立てることもできなかったという。虫の除去に1カ月かけたほか、さらに腐敗菌を除去し、専門的な修復素材を補てん、固定し、全部で4カ月を費やし、ようやく完了した。

このほか、鳥の羽を使った仮面はヤシの繊維で固め、本来の鳥の羽を一つずつ貼っていき、非常に手間がかかった。また、木造船の頭部と船尾には日本の在来種の雄鶏の羽毛が装飾に使われていたが、すでに絶滅しており、台湾の雄鶏の羽毛をこれに換え、もとの外観に近付けたという。

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