2024/05/01

Taiwan Today

経済

現実理解と共通認識で、実務的にTPP参加を=経済部

2015/11/05
行政院大陸委員会(日本の省レベルに相当)の夏立言主任委員(右)と中国大陸側、「国務院」台湾事務弁公室の張志軍主任(左)が今年5月に会談した時の様子。台湾海峡の良好な関係は、中華民国(台湾)の国際組織参加に有利に働く。(僑務委員会サイトより)

中華民国(台湾)のTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)参加には、加盟12カ国全ての同意が必要だが、中国大陸は現時点で同協定に加わっておらず、中華民国の参加には干渉できないことになる。しかし経済部(日本の経産省に相当)は4日、TPP加盟国の中華民国に対する態度に台湾海峡両岸関係が影響することは間違いないと指摘した。経済部によると、中国大陸の経済と政治面での力が日増しに強まっていることで、各国はこぞって中国大陸との友好関係を築こうとしている。中国大陸との良好な関係の維持は、これらの国々にとって、対外的な経済貿易関係発展の上で考慮せねばならない重要な要素になっている。

中国大陸経済の台頭、及びそのアジア太平洋地域に対する経済面での動きは間違いなく世界経済にも影響する。また、国際情勢の変化は往々にして極めて複雑。このため経済部は、「チャイナ・ファクター」がもたらす影響は無視できないと判断しており、正常な両岸関係を維持することで、TPP会員国が中華民国の参加問題を検討する上で、政治的要素に配慮する必要性を減らせると考えている。

国際的な経済貿易業務や外交工作に従事する人はみな、貿易こそ対外関係における最大の武器で、貿易が経済と戦略の上で強く結びついていることを理解している。このため経済部は、中華民国が世界での経済活動の場を広げていく時には常に、その背後にある経済と戦略面での意義を意識しなければならないと強調している。そして、中華民国の国際組織参加は、その組織のメンバーではない中国大陸による影響を受けることもあると指摘。このため経済部は、「TPP参加国は、中華民国の参加に対する中国大陸側の態度についても考慮せざるを得ない」という言い方は、決して中国大陸側に立ったものではなく、現実的な意見だとの見方を示した。

経済部は、現在米国と中国大陸はそれぞれTPPと「一帯一路」構想(「シルクロード経済ベルト」と「21世紀海上シルクロード」の二つの地域でのインフラ整備、貿易促進、資金の往来などを進めるという考え)を通じてアジア太平洋地域における経済貿易制度の主導権を争っていると説明、中華民国はこうした国際情勢を把握しながら、戦略的意義を持つTPPへの参加に積極的に取り組み、それに向けての障害に関する共通認識を固め、参加への支持を取り付けていくべきだと訴えた。

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