2024/04/30

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経済

ドイツ「iFデザインアワード」、台湾の学生が10項目受賞

2016/02/25
国立台北科技大学の劉東昇さんと陳瑋翎さんがデザインした「Signal Light」。ドイツ「iFデザインアワード」の「Public Value Student Award」を受賞(中央社)

デザイン界のオスカー賞と呼ばれるドイツの国際デザイン賞「iFデザインアワード」で、公共サービス部門のデザインを競う学生対象の「Public Value Student Award」が今年初めて設けられ、合計33項目の受賞枠のうち、台湾からの出品が10項目を受賞した。

そのうち国立台北科技大学の劉東昇さんと陳瑋翎さんがデザインした「Signal Light」は、電車の車内の人数を計測するというもので、最高賞金の2500ユーロ(約30万日本円)が与えられた。

「iFデザインアワード」が新たに設けたこの賞は、社会が直面する切迫した問題を解決するのに役立つコンセプトやデザインを提示し、社会の進歩を促すものに贈られる。

劉東昇さんによると、このデザインは自身の通学体験から発想を得たもの。電車の利用者は、どの車両にどれだけの乗客がいるか分からないため、電車がホームに到着するなり車両に押しかけ、しかも限られた時間の中で空席を探そうとするため、乗客同士がぶつかったり、転んだりして非常に危険である。

劉さんたちのアイデアは、車両にモニターを、車両ドアに赤外線装置を設置することで、各車両の乗客数を大まかに算出し、そのデータをホーム地面に設置した警告灯に反映するというもの。1車両当たりの乗客数が定員の90%に達すると、電車が駅に到着する前に、各車両が到着するホーム位置の警告灯が赤色を示す。65%であれば黄色、10%であれば緑色を示す。

「Signal Light」の警告灯により、乗客は電車がホームに入ってくる前に各車両の込み具合を把握し、乗ろうとする車両を決める参考にすることができる。また、乗客を比較的すいた車両に導くことが可能となり、安全性と効率性の向上につながる。

この賞を受賞した台湾の青年は、国立台北科技大学のほか、国立成功大学、中原大学、国立台湾科技大学、明道大学の学生もいる。出品の内容は、交通安全、生態保全、生活・保健、便利性の追求など多岐に及び、台湾の若者の独創性とデザイン上の才能を十分に発揮した結果となった。

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