2024/05/19

Taiwan Today

文化・社会

アングレーム国際漫画祭、来年も台湾パビリオン設置

2017/09/01
来年で第45回を迎える仏アングレーム市で開催される「アングレーム国際漫画祭」。台湾は7年連続で台湾パビリオンを出す。主催者が8月31日、台湾北部・台北市で出展説明会を開催した。来年はブースで屋台を形成し、台湾漫画家6名の作品を展示する。写真はその予想図。(中央社)
仏アングレーム市で開催される「アングレーム国際漫画祭(Festival International de la Bande Dessinée d'Angoulême)」は、2018年で第45回を迎える。台湾パビリオンの主催者は8月31日、台湾北部・台北市で出展説明会を開催した。台湾はすでに6年連続で台湾パビリオンを設置している。
 
台湾パビリオンのキュレーターでもある大辣出版の黄健和総経理兼編集長が明らかにしたところによると、2018年の台湾パビリオンは「市集聚落:台湾漫画的多元耕作産銷(A Market For Fun: Taiwan Comic Farmer’s Market)」をテーマに、ブースで屋台を形成し、台湾漫画家6名の作品を展示する。台湾パビリオンにはこのほか、海外の人々に推薦する台湾漫画、出版社、イベントなどを紹介するコーナーを設ける。
 
「アングレーム国際漫画祭」は世界2大漫画祭の一つ。欧州諸国のキュレーターや出版社などが集まる。また、同時に漫画に関するコンテストも開催しているが、出展作品はフランス語で書かれたものに限定している。台湾は、同漫画祭やコンテストに積極的に参加することで、より多くの台湾の漫画作品をフランスの出版社に売り込みたいと考えている。
 
黄健和総経理兼編集長は記者会見で、「10年後、より多くの台湾の漫画作品がフランス語に翻訳され、フランスの漫画ファンたちの心を動かすことを期待している」と指摘。コンテストでの受賞は一種の期待値であり、より多くのエネルギーを積み上げることで、台湾の漫画家による創作を奨励していきたいと述べた。
 
過去に同漫画祭に出展したことがある版権業者の武忠森さんは、「欧米諸国と比べると、台湾の版権ビジネスはまだ始まったばかり」と指摘。海外の漫画祭への出展を重ね、作品の露出度を高めることで、海外の出版社の関心を引く必要があると説明した。武忠森さんは過去に、台湾の漫画家である左萱さんが出展した作品『神之郷』についてフランスの出版社と商談し、わずか3か月程度で版権輸出を成功させた経験を持つ。
 
左萱さんによると、その作品は台湾の民間信仰の行事を取り扱ったもので、アングレーム国際漫画祭に出展したときは、台湾の宗教習俗や伝統行事を描いた絵に、ヨーロッパの読者が興味を持ってくれるかどうか心配だったという。しかし、出展を通して、ヨーロッパの読者も左萱さんの作風を気に入ってくれていることを実感できた。「絵を見て気に入ってくれた人もいた。中国語は分からないので、ぜひフランス語版を出版して欲しい、と励ましてくれた」と左萱さん。そして、「ある時間において、一つの都市が漫画一色に染まるということにびっくりした」と、「アングレーム国際漫画祭」に出展した感想を述べた。
 

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