2024/05/09

Taiwan Today

文化・社会

ムスリムにフレンドリーな環境を、国立故宮博物院南院に初の「祈祷室」

2017/12/22
国立故宮博物院南部院区が21日、台湾の博物館として初めてとなる、ムスリム(イスラム教徒)の人たちのための「祈祷室=礼拝室、プレーヤールーム」を開設した。写真はオープンのセレモニー。左から2人目はサウジアラビア商務弁事処のDR.RAFAT AHMED KHALEEL AL SAYED代表、3人目は国立故宮博物院の李静慧副院長。右から2人目は駐台北インドネシア経済貿易代表処のRobert James Bintaryo代表。(中央社)
国立故宮博物院南部院区(南院=台湾中南部・嘉義県)が21日、台湾の博物館として初めてとなる、ムスリムの人たちのための「祈祷室=礼拝室、プレーヤールーム」を開設した。多元的な文化を尊重するという同博物院の理念がさらに厚みを増したことになる。21日には同博物院の李静慧副院長が「祈祷室」オープンのセレモニーを執り行い、台湾における代表的なモスクである台北清真寺の馬孝棋元導師が「祈祷室」開設にあたっての祈りを捧げた。さらに同じく台北清真寺の馬吉盛元副導師が揮毫し、「アラビア書道」の美しさを示した。サウジアラビア商務弁事処(SAUDI ARABIAN TRADE OFFICE)のDR.RAFAT AHMED KHALEEL AL SAYED代表、駐台北インドネシア経済貿易代表処(INDONESIAN ECONOMIC AND TRADE OFFICE TO TAIPEI)のRobert James Bintaryo代表も出席した。
 
「祈祷室」には、コーラン、礼拝用マットが置かれている他、同博物院南院の一部のトイレには礼拝前に体を清めるための洗浄設備やイスラム語での表示などが設けられ、ムスリムの人たちのニーズに応じられるようにしている。また、「祈祷室」前にはムスリム文化を紹介するパンフレットが置かれ、ムスリムではない人たちによるイスラム文化への理解と尊重を促している。21日のイベントにも、普段からムスリムのヘルパーに支えられる高齢者たちが招かれた。それにより、宗教、芸術、飲食などの面で雇用主のムスリムに対する理解が増し、同博物院と「新住民」、並びに高齢者との距離も縮まった。「新住民」とは、台湾の人と結婚して海外から台湾に移り住んだ人たちのこと。
 
「祈祷室」の開設に合わせて国立故宮博物院南院は24日に「ムスリム文化の日」活動を行い、人々にムスリム文化を体験してもらうことにしている。人々は現在開催中の「来自天方的仙工-南亜美玉」展を参観し、最高のイスラム玉器芸術を鑑賞することになる。厳選された展示品は、ムガール帝国のコーラン経台、八角皿、花口葉式双柄盤(皿)など。また、インドネシアからの出稼ぎ労働者団体、MTYTによるエレクトーンに太鼓を加えた演奏も楽しめるということ。
 
 

ランキング

新着