2024/05/14

Taiwan Today

文化・社会

台湾アップルマンゴーの父、鄭罕池さんに褒揚令

2018/08/21
「台湾愛文芒果之父(=台湾アップルマンゴーの父)」と呼ばれる台南市玉井区(台湾南部)の農家、鄭罕池さんが今年6月1日、89歳で亡くなった。蔡英文総統が発令した「褒揚令」が20日、鄭家に届けられた。写真は地元の玉井国民小学(=小学校)が2013年に出版した絵本『盛夏紅宝石』を手にする鄭罕池さん。マンゴー栽培のために尽くした鄭罕池さんの物語を紹介したもの。(台南市提供、自由時報)
「台湾愛文芒果之父(=台湾アップルマンゴーの父)」と呼ばれる台南市玉井区(台湾南部)の農家、鄭罕池さんが今年6月1日、89歳で亡くなった。総統府は、国家に対して大きな貢献があった国民に対して贈る「褒揚令」を発令した。行政院農業委員会(日本の農林水産省に相当)の李退之副主任委員(=副大臣)が20日、中央政府を代表して鄭家を訪れ、遺族に「褒揚令」を手渡した。
 
蔡英文総統が8月7日付けで発令した「褒揚令」は、鄭罕池さんの国家に対するたぐいまれな貢献を称えるもので、総統府が国史館(総統府直属の歴史研究機関で、国史の編さんや歴代総統及び副総統の文物管理などを行う)に対し、鄭罕池さんの功績を国史に加えるよう指示したことが記載されている。
 
鄭罕池さんは1962年、米国からアーウィン種のマンゴーを導入。未熟な栽培技術、病気や害虫、寒害などの問題を克服し、4年後、ついに初収穫に成功した。その後も白い紙製の果実袋で害虫を防ぐなど、独自の研究と開発を重ね、現在台湾で行われている標準的なマンゴーの栽培方法を生み出した。
 
鄭罕池さんはさらに、自身の経験をもとに、地元農家にアップルマンゴーの栽培方法を指導するなどして、台南市玉井区を「台湾マンゴーのふるさと」とするための基礎を築いた。こうした取り組みが評価され、1977年に第1回「全国十大傑出農民」1位に選ばれた。2009年には当時の台南県(現在は台南市)が、鄭罕池さんが「祖」(先祖代々住んできた家)の庭に植えた、台湾に最初に導入したアップルマンゴーの果樹を保存樹に指定すると共に、鄭罕池さんを「台湾愛文芒果之父(=台湾アップルマンゴーの父)」と称えた。
 
「褒揚令」は鄭罕池さんの一人息子である鄭彦輝さんが遺族を代表して受け取った。鄭彦輝さんは「父のことを誇りに思う。父はその一生をマンゴー産業に捧げ、そして社会大衆から評価を得た。そのことを大変うれしく思う」と喜んだ。
 

ランキング

新着