2024/05/02

Taiwan Today

文化・社会

台湾の茶葉に新型コロナ抑える成分、嘉義長庚病院の研究が国際医学雑誌に

2020/03/26
嘉義長庚紀念病院の漢方医グループが、台湾の茶葉に含まれる成分テアフラビンが新型コロナウイルスと結びつくことでウイルスの増殖を抑える可能性を発見した。実証が待たれる。(自由時報より)
嘉義長庚紀念医院(病院)の中医(漢方医)グループがこのほど、台湾の茶葉が新型コロナウイルスの増殖を防ぐ可能性があることを発見した。この成分は茶葉に含まれるテアフラビン(Theaflavin)で、新型コロナウイルスと結びつくことでウイルスの増殖を阻止するという。
 
台湾中南部・嘉義県にある嘉義長庚紀念医院中医科の呉清源主任率いる研究グループはこのほど、コンピュータによる高速演算処理で台湾にある植物から抗ウイルス性の期待できる成分をさがす作業を行った。
 
その結果、台湾の茶葉から特殊な抽出方法で取り出したテアフラビン(Theaflavin)が新型コロナウイルスと結合することを突き止めた。特に発酵茶に多く含まれるという。この物質はウイルスの増殖を制御する重要なプロテアーゼ(RNA依存性RNAポリメラーゼ)と結びついてその活性を抑制するとのことで、それにより新型コロナウイルスの増殖も抑えられる可能性がある。このプロテアーゼはまた、新型コロナウイルスへの効果が期待される抗ウイルス薬レムデシビルが攻撃する主な標的だということ。しかし、現時点ではどれだけの量ではじめて効果が出るのかわからず、同グループではこの研究成果がより踏み込んだ医学研究につながり、感染症対策に役立つよう期待している。
 
呉清源主任は、この発見は現時点ではコンピュータの演算で得られた結果に過ぎないとして、実験でその効果を検証していく必要性を強調。また、同病院もこの発見によって人々がお茶を過度に摂ることは好ましくなく、これまでどおり健康のために飲む程度にしておくよう勧めている。
 
呉主任率いる研究グループと同病院医学研究部の龍志浩博士、薬剤部の林育昰主任、健康資料加値中心の楊曜旭主任、高雄長庚紀念医院の周煜倫医師などによるこの研究成果は、すでに国際的な医学誌の「Journal of Medical Virology」で紹介され、世界の科学者に提供されている。
 

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