2024/05/20

Taiwan Today

文化・社会

日本の夙川能舞台「瓦照苑」、台日の芸能・文化交流のために寄付

2021/04/08
夙川能舞台「瓦照苑(がしょうえん)」の代表である上田拓司さん(左)は7日、台北駐日経済文化代表処(東京都港区白金台)を訪れ、台湾と日本の芸能文化交流に役立てて欲しいと寄付金30万日本円を謝長廷代表(=駐日大使に相当。右)に手渡した。(中央社)
新型コロナウイルス感染症が世界各地に拡大する中、台湾は日本を含む多数の国々に医療用マスクを無償提供してきた。夙川能舞台「瓦照苑(がしょうえん)」の代表である上田拓司さんは7日、このときのお礼にと、台北駐日経済文化代表処(東京都港区白金台)を訪れて寄付金30万日本円を謝長廷代表(=駐日大使に相当)に手渡した。上田さんは、台湾と日本の芸能・文化交流に役立てて欲しいと願っている。
 
上田拓司さんは能楽観世流シテ方で、重要無形文化財(総合指定)の保持者。台北駐日経済文化代表処を訪れた上田さん一行は冒頭で、今月2日に発生した台湾列車脱線事故で多くの死傷者が出たことに対してお見舞いの言葉を述べた。
 
上田さん一行が台北駐日経済文化代表処を訪れたのは、「瓦照苑」が2020年に文化庁芸術祭優秀賞を獲得した際の賞金30万円を台湾の国家文化芸術基金会に全額寄付するため。寄付金は今後、同基金会の運営及び台湾芸術文化従事者への補助に活用される。
 
謝長廷代表から上田さんには、国家文化芸術基金会を代表して感謝状が贈られた。謝長廷代表は「瓦照苑」からの寄付に感謝した上で、この寄付が今後の台湾と日本の芸能・文化分野の多様な交流の契機となるよう願うと述べた。
 
その後、上田さんはメディアの取材に対し、「日本で災害が発生するたび、台湾は支援の手を差し伸べてくれる。こうした報道を目にするたびに胸がいっぱいになる。『瓦照苑』が得た賞金を台湾に全額寄付することを決めたのは、こうした助け合いの精神に対するお返しだ」と述べた。
 
ちなみに、「瓦照苑」はまだ一度も台湾を訪れたことがない。しかし、上田さんの愛娘が2019年に大学を卒業し、母親と一緒に台湾を訪れたことがあり、母娘ともに台湾が大好きになり、また訪れたいと言っているのだという。上田さんも昨年(2020年)、妻子とともに台湾を訪れる計画を立てていた。しかし、あいにく新型コロナウイルスの感染拡大により中止せざるを得なかったことから、コロナ収束後はぜひ台湾を訪問したいと考えているという。
 
 

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