2024/05/21

Taiwan Today

文化・社会

『来自清水的孩子』に「仏エミール・ギメ アジア文学賞」のグラフィック・ノベル賞

2024/03/04
仏「エミール・ギメ アジア文学賞」の授賞式が行われ、国立台東大学児童文学研究所の游珮芸所長らによる『来自清水的孩子』が今年新設されたグラフィック・ノベル賞に輝いた。写真は授賞式の模様。左から3人目が游珮芸氏。(文化部サイトより)
フランスのギメ東洋美術館(Musée Guimet)が主催する「エミール・ギメ アジア文学賞(Prix Émile Guimet de littérature asiatique)」の授賞式が2月29日夜に行われ、国立台東大学(台湾南東部・台東市)児童文学研究所の所長を務める游珮芸氏の『来自清水的孩子』(邦題:台湾の少年)が同賞が今年新設したグラフィック・ノベル賞を受賞した。「エミール・ギメ アジア文学賞」は今年で7回目。
 
『来自清水的孩子』は游珮芸氏と絵本作家の周見信氏による共作。台湾で政治的迫害を受けた故・蔡焜霖氏の生涯を描いている。時代は日本統治時代から国民党政権に至る近現代史。日本語、フランス語、アラビア語、ドイツ語、韓国語、英語、イタリア語などへの翻訳も進んでいる。
 
游珮芸氏は授賞式で創作の理由について、「蔡氏が政治的迫害を受けた人物だったからではない。様々な試練を経て示した姿が若者たちの手本となるに足るものだったからだ。台湾の若者たちに蔡氏の物語を知ってほしいと考えた」と語った。
 
游氏は、「現在の台湾の若者たちは生まれた時から自由な時代に生きており、戒厳令がしかれていた時代を知らない。ある人物の物語を通じて台湾を知ることは最も簡単な理解の方式だ。もちろん最大の希望は世界に台湾の物語を見てもらうことだ」と述べている。
 
今年初めて設けられたグラフィックノベル賞には『来自清水的孩子』のほか、韓国の漫画家、馬栄伸氏の『母親たち:清掃員ママと彼女たちの第二の人生』、日本の宮崎駿氏の『シュナの旅』の3作品がノミネートされていた。
 
 

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