2024/05/03

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文化・社会

彰化高校、童謡『赤とんぼ』で日本の貴重な文物受ける

2015/04/30
彰化高校の学生たちは童謡『赤とんぼ』で誠意を示し、板寺慶子さん(前列中央)より貴重な文物の寄贈を受けた。写真は同校図書館の主任及び教師らが昨年、板寺さんを訪ねた時の様子。(彰化高校提供、中央社)

国立彰化高級中学(高校:台湾中部、彰化県)図書館の「行動閲読(移動読書)」日本調査訪問団の学生たちが、日本の童謡、『紅蜻蜓(赤とんぼ)』を披露して、日本から彫塑、直筆原稿、写真など貴重な文物数十点の寄贈を受けた。高校生が、これら文物の入手に動いていた著名な博物館を打ち負かした初めてのケースに。

3年前、同訪問団の学生たちは、台湾の彫塑家で最初に日本留学した黄土水氏(1895-1930)がかつて、「台湾における医学衛生の父」とされる高木友枝氏(1858-1943)の胸像を製作したことを知り、学生たちは高木氏の家族を探し当てて実際に訪ねた。

高木氏の孫にあたる板寺一太郎さんの夫婦がこれら文物を保管していたが、板寺さんは2013年に死去。夫人の板寺慶子さんが文物の権利を受け継いだ。このことが広まると、日本及び台湾の複数の博物館が高額な価格での購入を希望。彰化高校の学生たちは不利を承知の上、昨年、板寺慶子さんを訪ねた際に、バイオリンとリコーダーで『赤とんぼ』を演奏し、これら文物への思いを伝えた。

慶子さんはこれに感動し、学生たちに「こんなに親しみを感じたのは久しぶりだ」と告げ、高木友枝氏の胸像のみならず、台湾の医療に関する歴史資料も学生たちに寄贈。今年はさらに、台湾中部の景勝地である日月潭の彫塑、100年前の台湾先住民族の工芸品、古い写真などを、訪ねた学生たちに贈った。

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