2024/05/19

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「藍」の観光列車、台湾の「藍皮解憂号」と日本の「藍よしのがわトロッコ」が姉妹列車協定

2024/04/22
台鉄公司の観光列車「藍皮解憂号」と日本のJR四国の観光列車「藍よしのがわトロッコ」が19日、台湾南部・屏東県の枋寮駅で姉妹列車協定を結んだ。写真は、姉妹列車協定締結を記念してオリジナルデザインのヘッドマークを「藍皮解憂号」に取り付けた台鉄公司の劉双火副総経理(左)とJR四国専務取締役長戸正二・鉄道事業本部長(右)。(台鉄公司フェイスブックより)
台鉄公司の観光列車「藍皮解憂号」と日本のJR四国の観光列車「藍よしのがわトロッコ」が19日、台湾南部・屏東県の枋寮駅で姉妹列車協定を結んだ。名前に「藍」を冠し、藍色を基調とした観光列車同士、互いに鉄道観光の発展に努める。
 
きっかけは昨年のこと。台鉄公司の上層部が出張で日本を訪れ、四国旅客鉄道株式会社(JR四国)と交流を行った際、台鉄公司の観光列車「藍皮解憂号」が話題に上った。すると日本側から、同じ藍色を基調とした観光列車で、四国の徳島県を走る「藍よしのがわトロッコ」と協力して、台湾と日本の鉄道観光を盛り上げるアイデアが提案された。
 
台鉄公司の劉双火副総経理によると、屏東県の枋寮駅にある「藍皮解憂号」をイメージした待合室「藍皮意象館(BREEZY BLUE STATION)」で、「藍よしのがわトロッコ」の紹介ビデオを上映するほか、将来的には乗車券に関する何らかの交流なども進めていきたい考え。劉双火副総経理は、今回の姉妹列車協定の締結を通して、双方の列車の知名度を高め、台湾と日本の鉄道文化の交流や観光を盛り上げていきたいと意欲を示した。
 
四国旅客鉄道株式会社専務取締役の長戸正二・鉄道事業本部長は、双方の観光列車の最大の共通点は「藍色」だと指摘した上で、車体そのものだけでなく、日本の「藍よしのがわトロッコ」からは青い河川を、台湾の「藍皮解憂号」からは青い太平洋を見ることができると紹介。日本の観光列車の台湾での露出を高めると同時に、日本側でも台湾の「藍皮解憂号」を多く紹介できるようさまざまなプロジェクトを企画していきたいと述べた。
 
台鉄公司の観光列車「藍皮解憂号」の車両は、もともと台湾全土を運行する普通列車で、「藍皮車」と呼ばれ多くの人に親しまれた。2020年末に第一線を退いたが、往年の雰囲気を残したまま修復し、翌年10月からレトロな観光列車として運行を再開。現在は屏東県の枋寮駅と台東県の台東駅を結ぶ区間でのみ運行している。「解憂」とは「気晴らし」を意味する。
 
また、「藍皮解憂号」は台湾で唯一、車両内にエアコンが設置されていないため、窓を開け放ち、扇風機で涼を取ることができる。車内にはアナウンス設備もないレトロな列車だ。屏東県の枋寮駅と台東県の台東駅を結ぶ「南迴線」を走り、一部の区間では真っ青な太平洋が広がるオーシャンビューを楽しむことができる。レトロなデザインと特色ある旅程が評価され、昨年、ドイツのiFデザイン賞をサービスデザイン部門で受賞した。
 

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