2024/05/03

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「先住民集落旅行特別塗装機」、一番機はNZオークランドへ

2014/03/12
台湾の先住民族をテーマにしたチャイナエアラインの特別塗装機が11日、台北-NZオークランド路線に就航した。NZ、豪州の他、アジアへの運航も予定されており、先住民族文化を旅客機と共に世界に届ける。(中央社)

行政院(内閣)原住民族委員会がチャイナエアラインと協力した「台湾部落行旅彩絵機」(台湾先住民集落旅行特別塗装機)が11日、台湾桃園国際空港からニュージーランドのオークランド空港に向けて飛び立った。台湾特有の先住民族文化がチャイナエアライン機と共に世界をめぐることとなる。

同機はエアバス社のA330-300型機で、ビジネスクラス30席、エコノミークラス277席。主にはオーストラリアとニュージーランドへの路線で運航される他、日本と香港、東南アジアなどへの路線とも組み合わせて使用される。

機体の図案は台湾先住民族の著名な芸術家で先住民族の現代芸術を生み出した撒古流・巴瓦瓦隆(Sakuliu Pavavalung)氏の作品。初公開の『婚慶』シリーズ作で、先住民族のひとつ、パイワン族独特の新婦を迎える儀式が表現されている。同機では、『婚慶』シリーズ作から代表的な部分を切り取って採用、機体右側には結納、左側には新婦を御輿で担ぐ姿、及び結婚式で行われるブランコ、さらには「MASALU! TAIWAN」というパイワン族語で、「台湾へようこそ」というメッセージを伝えている。キャビンでは座席のヘッドカバーに先住民族のデザインが使われている他、先住民族絵画や特別塗装機の紹介カードなどが備えられる。

台湾とニュージーランドが2013年7月に調印した「台湾・ニュージーランド経済協力協定」(ANZTEC)には、先住民族に関する章が設けられ、双方共通のオーストロネシア語系先住民族に関する業務の上でさらなる交流を進めていくことが定められた。このため今回の特別塗装機は最初にニュージーランドのオークランドに飛ぶことになった。

原住民族委員会によると、台湾にとって先住民族はかけがえの無い「宝」であり、現在の人口は約53万人。台湾の総人口のうち2%を占める。現在、政府の認定する先住民族は14種族で、それぞれが独特の文化、言語、風習を有している。

言語学の研究によると、台湾の先住民族とニュージーランドの先住民族マオリは共にオーストロネシア語族に属す。台湾は特に多くのオーストロネシア語とその古い発音を受け継いでおり、オーストロネシア語族の「ふるさと」と称えられている。マオリはオーストロネシア語族が最後に移動した一族で、西暦700年から800年の間にニュージーランドに移っていったものとされている。近年では遺伝子研究により、台湾の先住民族とマオリには類似した遺伝子の特徴があることが分かっている他、遺伝子序列の研究ではさらに、台湾東部・花蓮のアミ族とマオリがもっとも近いと指摘されている。

 

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