日本の複数の鉄道と姉妹関係を結んでいる在来線・台湾鉄道に、このほど欧州の「姉妹」が加わった。交通部（日本の国交省に類似）台湾鉄路管理局（台湾鉄道）は6日、スイスのマッターホルン・ゴッタルド鉄道（MGBahn）と協力覚書を交わし、台湾鉄道が経営協力する阿里山森林鉄道とMGBahnに属するゴルナーグラート鉄道は姉妹関係となった。阿里山森林鉄道は台湾中南部・嘉義県の景勝地、阿里山を登る著名な登山鉄道で、ゴルナーグラート鉄道はマッターホルンを登る鉄道。
台湾鉄道によると、台湾鉄路管理局とMGBahnは、今後、鉄道の経営と技術の面で協力していくことで合意。特に経営、プロモーション、修理、メンテナンス、人材の育成と訓練などで協力する。また、阿里山森林鉄道とゴルナーグラート鉄道は、それぞれのウェブサイトに互いの鉄道旅行に関する情報を伝えるコーナーを設ける他、駅でも相手方の旅行を紹介する。さらには一方の切符を持って相手方の駅を訪れれば、その切符で「秘密の記念品」がもらえるようにする。
台湾鉄道は、行政院農業委員会（日本の農水省に相当）林務局の阿里山森林鉄道とMGBahn、及びゴルナーグラート鉄道が姉妹関係を結ぶことはエポックメイキングな意義を持つと強調。阿里山森林鉄道にとっては日本の大井川鉄道、黒部峡谷鉄道に続く、海外の鉄道との三つ目の姉妹関係となる。台湾鉄道は、民間交流を通じて、台湾と欧州間の交流と友好関係がいっそう深まることに期待している。