2024/05/06

Taiwan Today

観光

国内旅行での支出、4年連続で海外旅行を下回る

2017/01/09
中央銀行の統計によれば、中華民国(台湾)の国民の海外旅行での支出金額が国内旅行での支出金額を上回る状況が2012年より続いている。写真は台湾中部の観光スポット、阿里山の桜。(中央社)
中央銀行の統計によれば、中華民国(台湾)の国民の海外旅行での支出金額が国内旅行での支出金額を上回る状況が2012年より続いている。また、その差も年々拡大しており、中央銀行では顧客に合わせ、「カスタマイズ」された旅行を発展させるよう提言している。
 
中央銀行は、世界的な金融危機以降、各国の経済成長率が一様に低下する中、各国は量的緩和政策を通じて景気後退は脱しているものの、いっそうの景気回復には金融政策だけでは不十分だと指摘。このため中央銀行では、財政政策による内需拡大、公共工事への積極的な民間資金の導入の他、国内旅行の振興で民間消費の成長を刺激することも経済成長力を強める手段の一つだと主張している。
 
2015年に国内で旅行した人の数は延べ1億7,852万人で、2011年から17%増加した。しかし、国内旅行での支出は2011年に比べてわずか7%多かっただけで、2012年、2013年、2014年に至っては2011年を下回った。
 
一方、2015年に海外に出かけた人の数は延べ1,318万人で、2011年から38%増えた。支出は53%増加している。また、国民の海外旅行での支出金額は2012年以降、国内旅行での支出を上回る状態が続いており、その差も年々広がっている。国内旅行に出かける人は海外旅行をする人よりずっと多いにもかかわらず、1人あたりの消費金額が海外旅行のそれを大きく下回っていることが分かる。
 
中央銀行は、国内旅行への意欲を高めるため二つの提言を行なった。一つは、観光スポットまでのアクセスのさらなる整備や、観光情報の取得の即時性向上など、ソフトとハード面での旅行環境改善。もう一つは、「カスタマイズ」され、深みのある体験旅行の発展。中央銀行では、「高齢者向けツアー」、「バリアフリー・ツアー」などで、シニア消費のビジネスチャンスをつかむことなどが考えられる他、台湾特有の文化や芸術といったリソースと結びつけ、国内旅行の奥深さを強めることで消費の範囲を広げることも可能だとしている。
 

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