2024/05/07

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台湾初の海洋野生動物の環境保護区画、農業委員会が策定

2014/04/22
行政院農業委員会は21日、「シナウスイロイルカに関する野生動物重要生息環境」計画を制定した。(行政院農業委員会林務局サイトより)

行政院農業委員会(日本の農林水産省に相当)は21日、「シナウスイロイルカに関する野生動物重要生息環境」計画を制定した。定められた区画は、海洋と河口を含む複合的生態系に属し、範囲は北限が台湾北西部の苗栗県龍鳳港、南限が中南部の嘉義県外傘頂洲灯台まで、さらに西はシナウスイロイルカの活動範囲にある4つのエリアに区切られ、それぞれ海岸線から1~3カイリの線上にある。東は海岸線から海上に50メートルの線上で区切り、主要な河口も含まれる。全体では北西部から中南部の苗栗県、台中市、彰化県、雲林県にまたがる総面積7万6,300ヘクタールの区域で、まず予告の30日後に再度公告する。台湾初の海洋野生動物の重要生息環境の区画策定となる。

なお、重要生息環境の範囲内は、漁業の操業も行われており、50トン未満の底引き網漁船が海岸から3カイリ内で操業してはならないという現行の規制を除き、その他の操業は引き続き認められる。野生動物保護法第8条の規定では、野生動物の重要生息環境内における各種の建設事業や土地利用については、野生動物の生息に最も影響の少ない方法や区域を選び、本来の生態機能を破壊してはならないと定めている。

農業委員会は2008年、シナウスイロイルカを絶滅に瀕する保護野生動物に指定し、研究者に委託して長期的な生態観測や群れの研究、科学的データの蓄積を行い、保護計画を策定している。2009年から2014年までは、観測データに基づき、段階的に重要生息環境の策定と境界制定のため測定を行っている。

シナウスイロイルカ(学名・Sousa chinensis)の生息地は、中国大陸の長江以南、インド半島からアフリカの東部沿岸を経て、オーストラリア北部海域までに分布する。台湾の西部沿岸海域も生息地となっている。ただ、台湾西部の沿岸は漁業の操業が過剰で、海中の騒音や汚染、生息地破壊など人為的な干渉により、シナウスイロイルカの群れの数は100頭以下に減っている。

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