台湾鉄道(台鉄)は近年、各駅のリニューアルを進めている。改装に当たり、一駅ごとの特徴を持たせようと、画一的で古いイメージの作りから、地元の特徴を取り入れたデザインに変身している。ヘチマ棚をかたどった造型のプラットホーム(台湾北東部・宜蘭県の冬山駅)や、客家の土楼(台湾のエスニックグループの一つ、客家の人々独自の土壁の住宅、北西部・苗栗県の苗栗駅)などのデザインで、駅そのものが行楽客が訪れる新たな観光スポットとなり、駅を訪れる旅のブームを巻き起こしている。
駅のリニューアル工事を担当する、交通部(日本の国土交通省に類似)鉄路改建工程局の唐継宏副局長によれば、近年では駅に地元の文化やパブリックアートを取り入れており、評判は上々だという。
同局工務組の曽義探科長によれば、駅の設計や改修ではこれまで、特に地元とのつながりを持たせておらず、鉄道ファンからは不満の声も上がっていた。そこで設計にも「市民参加」のコンセプトを盛り込むようにし、改修前に地元の意見を聴取したのち、人々や文化の特色を取り入れ、これが駅舎建築の新たな主流になりつつある。