お茶の科学や文化などを網羅する「茶学」の研究に努めて40年以上の池宗憲さんは、「以前はみな食事と言えば、酒と合わせることで料理が美味しくなると言った。しかし実はお茶こそがさらにその味わいを通して遠方の味を見つけさせるのだ」と語る。原点となる「以茶佐餐」(お茶が料理を補佐する=引き立てる)という考えは池宗憲さんを「侍茶師」(お茶のソムリエ)の普及に乗り出させた。すなわち茶はもはや食卓の隅に置かれ、の...